問題
A社はB社に対する売掛債権を有しているが、B社の資力に不安が生じたため、債権者代位権および詐害行為取消権の行使を検討している。次のア〜オの記述のうち、適切なものの組み合わせを①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. 債権者代位権は、原則として債務者が無資力であることを要件とするが、登記請求権の代位行使など被保全債権と被代位権利が密接に関連する転用型の場合には無資力を要しないことがある。 イ. 詐害行為取消権は、債務者が債権者を害することを知ってした行為を対象とするものであるが、受益者が行為時に債権者を害することを知っていたか否かは取消しの要件とならない。 ウ. 債権者代位権を行使する場合、債権者は自己の債権額にかかわらず被代位権利の全額を行使しなければならない。 エ. 詐害行為取消権は、債権者が受益者または転得者を被告として、その行為の取消しを裁判所に請求する方法によって行使しなければならない。 オ. 詐害行為取消権は裁判外でも行使することができ、債務者に対する一方的な意思表示のみによってその効力を生じる。
選択肢
- 1ア・エ
- 2イ・ウ
- 3ウ・オ
- 4イ・オ
- 5ア・オ
正解
1. ア・エ
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解説
アは適切。債権者代位権は債務者の無資力を要件とするのが原則だが、特定債権保全のための転用型(登記請求権の代位等)では無資力は不要とされる(民法423条・判例)。エも適切で、詐害行為取消権は債権者が受益者または転得者を被告とし、裁判所に対し取消しを請求する方法(訴え)によって行使しなければならない(424条1項本文・424条の7)。一方イは不適切で、詐害行為取消権の成立には債務者の詐害意思に加え、受益者がその行為時に債権者を害することを知っていたこと(受益者の悪意)が要件となる(424条1項ただし書)。ウも不適切で、代位行使は被保全債権の額の範囲に限られる(423条の2)。オも不適切で、詐害行為取消権は必ず裁判上の請求によって行使しなければならず、裁判外の意思表示では行使できない(424条1項本文)。よってア・エが適切で、両制度の無資力要件・受益者の主観・行使方法の違いを正確に区別する必要がある。
一問一答
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