問題
A社はB社に対して買掛金債務を、B社はA社に対して貸付金債権を有している。相殺に関する次の事例のうち、最も適切なものを①〜④の中から1つ選びなさい。
選択肢
- 1受働債権が不法行為(悪意による)に基づく損害賠償債務である場合、その債務者は当該債権を受働債権として相殺することができる。
- 2相殺は当事者双方の合意がなければ効力を生じず、一方的な意思表示では相殺できない。
- 3A社のB社に対する債権が時効により消滅した後であっても、消滅以前に相殺適状にあったのであれば、A社はその債権を自働債権として相殺することができる。
- 4差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権を自働債権として、差押債権者に相殺を対抗することができる。
正解
3. A社のB社に対する債権が時効により消滅した後であっても、消滅以前に相殺適状にあったのであれば、A社はその債権を自働債権として相殺することができる。
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解説
正解の選択肢が最も適切である。自働債権が時効消滅していても、消滅以前に既に相殺適状が生じていれば相殺できる(民法508条)。これは当事者が相殺によって決済済みと考える期待を保護する趣旨である。悪意による不法行為に基づく損害賠償債務を負う者は、これを受働債権として相殺することができない(509条1号)ため当該肢は誤り。相殺は相手方に対する一方的な意思表示によって効力を生じる単独行為であり、合意は不要である(506条1項)から合意を要するとする肢も誤り。差押え後に取得した債権による相殺は差押債権者に対抗できない(511条1項)。相殺適状と相殺禁止事由の正確な理解が問われる。
一問一答
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