問題
A株式会社では、取締役の違法行為により会社に損害が生じたとして、株主が責任追及を検討している。株主代表訴訟(責任追及等の訴え)に関する次のア〜オの記述のうち、適切なものの組み合わせを①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. 代表訴訟を提起した株主は、たとえ勝訴した場合であっても、その訴訟に要した費用を会社に対して一切請求することができない。 イ. 株主は、まず会社に対して書面その他の方法により責任追及等の訴えの提起を請求し、会社が原則として60日以内に訴えを提起しないときに、自ら訴えを提起することができる。 ウ. 代表訴訟で株主が勝訴して得られた賠償金は、訴えを提起した当該株主個人に帰属する。 エ. 代表訴訟の対象となる責任には、取締役の会社に対する責任のほか、発起人、設立時取締役、監査役、執行役、会計監査人の会社に対する責任も含まれる。 オ. 非公開会社においても、代表訴訟を提起するには、6か月前から引き続き株式を有する株主であることが必要である。
選択肢
- 1ア・ウ
- 2ア・オ
- 3ウ・エ
- 4イ・エ
- 5イ・オ
正解
4. イ・エ
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解説
イは適切。株主はまず会社に対して責任追及等の訴えの提起を請求し、会社が原則として60日以内に訴えを提起しないときに、自ら訴えを提起することができる(会社法847条1項・3項)。エも適切で、代表訴訟の対象となる責任は取締役のみならず、発起人・設立時取締役・監査役・執行役・会計監査人等の会社に対する責任に及ぶ(847条1項)。一方アは不適切で、勝訴した株主は支出した費用のうち相当と認められる額および弁護士報酬等を会社に請求できる(852条1項)から、一切請求できないとするのは誤りである。ウも不適切で、勝訴により得られる賠償金は会社に帰属し、原告株主個人のものとはならない。代表訴訟は会社の損害回復のための制度だからである。オも不適切で、6か月前からの株式継続保有が原告適格の要件となるのは公開会社であり(847条1項)、非公開会社にはこの保有期間の要件はない(847条2項)。よって適切な記述の組み合わせはイ・エである。
一問一答
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