問題
A株式会社では、定時株主総会の招集通知の一部が法定の期間に遅れて発送され、また一部の株主に対しては招集通知が発送されないまま決議がされた。この株主総会の招集手続および決議の瑕疵を争う訴えに関する次の記述のうち、最も適切なものを①〜⑤の中から1つ選びなさい。
選択肢
- 1株主総会の決議の内容が法令に違反する場合は、株主総会決議取消しの訴えによらなければ争うことができず、その出訴期間は決議の日から3か月以内に限られる。
- 2株主総会が実際には開催されていないにもかかわらず決議があったものとして議事録のみが作成された場合、これを争うには株主総会決議取消しの訴えによらなければならない。
- 3株主総会決議取消しの訴えにおいて、招集手続の違反が軽微であり決議に影響を及ぼさないものであると認められる場合であっても、裁判所は必ずその決議を取り消さなければならない。
- 4招集手続または決議の方法が法令もしくは定款に違反し、または著しく不公正なときは、株主等は決議の日から3か月以内に株主総会決議取消しの訴えを提起することができる。
- 5株主総会決議取消しの訴えを提起することができるのは株主に限られ、当該会社の取締役や監査役はこの訴えを提起することができない。
正解
4. 招集手続または決議の方法が法令もしくは定款に違反し、または著しく不公正なときは、株主等は決議の日から3か月以内に株主総会決議取消しの訴えを提起することができる。
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解説
最も適切なのは、招集手続・決議方法の法令定款違反または著しく不公正があるときは決議の日から3か月以内に決議取消しの訴えを提起できるとする記述である(会社法831条1項)。決議内容の法令違反も取消しの訴えによらなければ争えず出訴期間が3か月に限られるとする記述は不適切で、決議内容が法令に違反する場合は出訴期間の制限のない決議無効確認の訴えで争うことができる(830条2項)。決議が実際には開催されていない場合に取消しの訴えによるとする記述も不適切で、決議が物理的に存在しないような場合は決議不存在確認の訴えの問題である(830条1項)。違反が軽微で決議に影響しなくとも必ず取り消さなければならないとする記述も不適切で、違反する事実が重大でなくかつ決議に影響を及ぼさないと認められるときは、裁判所は裁量によりその請求を棄却することができる(831条2項。裁量棄却)。取消しの訴えの原告適格を株主に限り取締役・監査役を除くとする記述も不適切で、決議取消しの訴えは株主のほか取締役・監査役・執行役・清算人など(株主等)も提起することができる(831条1項)。
一問一答
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