問題
A社は事業資金を調達するため、その有する動産や債権を活用した担保の設定および資産の流動化を検討している。動産・債権を活用した担保や流動化に関する次のア〜オの記述のうち、適切なものの組み合わせを①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. 法人がする金銭債権の譲渡について債権譲渡登記をした場合、債務者に対する対抗要件はその登記のみによって当然に具備され、債務者への通知や債務者の承諾は一切不要である。 イ. 法人がする動産の譲渡について、動産譲渡登記をすれば、民法上の引渡しがあったものとみなされ、第三者対抗要件を備えることができる。 ウ. 将来発生する債権は、譲渡の時点で現に発生していない以上、その発生の可能性の程度を問わず、これを譲渡の目的とすることはできない。 エ. 集合動産譲渡担保は、構成部分の変動する集合物を一個の担保目的物として扱うことができ、目的物の種類・所在場所・量的範囲を指定するなどして範囲が特定されていれば有効である。 オ. 集合動産譲渡担保が有効に成立するためには、その目的物について必ず動産譲渡登記を経ることが効力発生の要件となり、登記を欠く譲渡担保は当事者間でも効力を生じない。
選択肢
- 1ア・ウ
- 2イ・エ
- 3ウ・オ
- 4ア・オ
- 5イ・ウ
正解
2. イ・エ
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解説
イは適切。動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(動産・債権譲渡特例法)により、法人がする動産譲渡について動産譲渡登記をすれば、民法178条の引渡しがあったものとみなされ第三者対抗要件を備えることができる(同法3条1項)。エも適切で、判例上、集合動産譲渡担保は目的物の範囲が種類・所在場所・量的範囲等によって特定されていれば一個の集合物を目的として有効に成立する。一方アは不適切で、債権譲渡登記は第三者対抗要件を備えるにとどまり、債務者に対する対抗要件を得るには登記事項証明書を交付して通知するか、または債務者の承諾を得ることが必要である(同法4条2項)。ウも不適切で、将来発生する債権であっても、目的となる債権が特定されていれば原則として譲渡することができる(民法466条の6第1項)。オも不適切で、譲渡担保は当事者の合意により効力を生じ、動産譲渡登記は第三者対抗要件を備える方法の一つにすぎないから、登記が効力発生の要件であって登記を欠くと当事者間でも効力を生じないとするのは誤りである。よって適切な組み合わせはイ・エである。登記制度の対抗要件としての位置づけと将来債権譲渡の有効性の理解が要点である。
一問一答
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