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企業活動の規制と労働法難易度:

ビジネス実務法務検定2級 予想問題企業活動の規制と労働法 第35問

問題

A社のコンプライアンス担当者が、役職員による不正行為の防止と内部統制の整備、及び社内で不正を知った従業員からの通報への対応について検討している。企業のコンプライアンスと内部統制に関する次の記述のうち、最も適切なものを①〜⑤の中から1つ選びなさい。

選択肢

  1. 1会社の従業員が職務に関して刑罰法規に違反する行為をした場合、その従業員個人のみが処罰の対象となり、法人である会社が罰金等の刑罰を科されることはおよそないため、A社は法人としての処罰を考慮する必要はない。
  2. 2取締役は、自己が担当する業務についてのみ善管注意義務を負うのであって、他の取締役の業務執行を監視する義務を負わないから、A社の取締役は自己の担当外の部門で行われた違法行為について責任を問われることはない。
  3. 3大会社である取締役会設置会社であるA社の取締役会は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要な体制(いわゆる内部統制システム)の整備について決定しなければならない。
  4. 4公益通報者保護法により、一定の要件を満たして公益通報をした労働者を、当該公益通報をしたことを理由として降格することは禁止されるが、解雇については禁止の対象外であり、A社は通報を理由として当該労働者を解雇することができる。
  5. 5公益通報者保護法による保護の対象となるのはA社と労働契約を締結している正社員に限られ、A社で就業する派遣労働者や、退職後一定期間内の元従業員、A社の取締役等の役員は、公益通報をしても同法による保護の対象とはならない。

正解

3. 大会社である取締役会設置会社であるA社の取締役会は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要な体制(いわゆる内部統制システム)の整備について決定しなければならない。

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解説

大会社である取締役会設置会社の取締役会は内部統制システムの整備について決定しなければならないとする記述が最も適切である(会社法362条4項6号・5項)。法人が処罰されることはおよそないとする記述は不適切で、行政刑罰法規等に置かれた両罰規定により、従業員等の違反行為について行為者個人のみならず法人である会社にも罰金刑等が科され得る。取締役は他の取締役の業務執行を監視する義務を負わないとする記述も不適切で、取締役は取締役会の構成員として相互に他の取締役の職務執行を監視する義務(監視義務)を負い、担当外で行われた違法行為についても善管注意義務違反として責任を問われ得る(会社法330条、355条、民法644条)。公益通報を理由とする解雇は禁止の対象外であるとする記述も不適切で、公益通報者保護法は要件を満たす公益通報をしたことを理由とする解雇を無効とし、降格・減給その他の不利益な取扱いも禁止している(公益通報者保護法3条・5条)。保護の対象が正社員に限られるとする記述も不適切で、同法の保護対象には派遣労働者や退職後一定期間内の退職者、役員等も含まれる(公益通報者保護法2条1項)。よって最も適切なものは内部統制システムの整備に関する記述である。

一問一答

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