問題
A社は訴訟以外の紛争解決手段(ADR)や保全手続の活用を検討している。裁判外紛争解決手続及び民事保全に関する次のア〜オの記述のうち、適切なものの組み合わせを①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. 当事者間に有効な仲裁合意がある場合、当事者は原則としてその対象とされた紛争について訴訟を提起することができず(妨訴抗弁)、仲裁廷がした仲裁判断は、確定判決と同一の効力を有する。 イ. 民事調停は当事者の合意による解決を目指す手続であり、調停において当事者間に合意が成立し、これを調停調書に記載したときは、その記載は裁判上の和解と同一の効力を有する。 ウ. 仮差押え及び仮処分などの民事保全手続は、本案訴訟の判決が確定した後でなければ申し立てることができず、本案訴訟の係属前や係属中に申し立てることはできない。 エ. 民事調停において当事者間に合意が成立せず調停が成立しなかった場合には、当事者は同一の紛争について改めて訴訟を提起してその解決を図ることは一切できない。 オ. 民事保全のうち仮処分には、係争物に関する仮処分のみが認められており、争いがある権利関係について暫定的に債権者の地位を定める仮の地位を定める仮処分は認められていない。
選択肢
- 1ウ・オ
- 2ア・イ
- 3イ・エ
- 4ア・オ
- 5ウ・エ
正解
2. ア・イ
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解説
アは適切。当事者間に有効な仲裁合意があると、当事者は原則としてその紛争について訴訟を提起することができず(妨訴抗弁)、仲裁判断は確定判決と同一の効力を有する(仲裁法45条1項、14条)。イも適切で、民事調停が成立し当事者間の合意が調停調書に記載されると、その記載は裁判上の和解と同一の効力を有する(民事調停法16条)。一方ウは適切でなく、民事保全は権利の実現を保全するための暫定的な措置であり、本案訴訟の係属前又は係属中に申し立てるのが通常であって、本案判決の確定後でなければ申し立てられないとするのは誤りである(民事保全法2条等)。エも適切でなく、調停が成立しなかった場合には当事者は改めて訴訟を提起して解決を図ることができる。オも適切でなく、仮処分には係争物に関する仮処分のほか、争いがある権利関係について暫定的な地位を定める仮の地位を定める仮処分も認められている(民事保全法23条1項・2項)。よって適切な組み合わせはア・イである。
一問一答
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