問題
A社は取引先B社が支払不能に陥り、B社について破産手続が開始された旨の通知を受けた。A社はB社に対して売掛金等の債権を有している。破産手続におけるA社(債権者)の地位に関する次の記述のうち、最も適切なものを①〜⑤の中から1つ選びなさい。
選択肢
- 1破産手続開始後にA社がB社の破産財団のために新たに役務を提供したことによって生じた請求権は、破産債権として届け出て、他の破産債権者とともに配当手続において按分で配当を受けることができるにとどまる。
- 2A社がB社に対して有する債権と、B社がA社に対して破産手続開始前から有する債権とが相殺に適する状態にある場合であっても、破産手続が開始された後は、A社が相殺をすることは一切認められない。
- 3B社の破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権で担保権によって保全されていないものは破産債権となり、A社はこれを破産手続において届け出て、配当手続に参加することになる。
- 4破産手続においては、租税債権や労働債権を含むすべての破産債権が一律に同順位のものとして扱われ、配当に当たって優先順位の区別が設けられることはない。
- 5破産手続開始の決定があった後であっても、A社は、自己の有する破産債権に基づいてB社の財産に対し個別に強制執行をすることによって、他の破産債権者に先立って自己の債権の満足を得ることができる。
正解
3. B社の破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権で担保権によって保全されていないものは破産債権となり、A社はこれを破産手続において届け出て、配当手続に参加することになる。
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解説
破産手続開始前の原因に基づく無担保の財産上の請求権が破産債権となり、債権者はこれを届け出て配当手続に参加するとする記述が最も適切である(破産法2条5項、111条1項)。破産手続開始後の役務提供に基づく請求権が破産債権として按分配当にとどまるとする記述は適切でなく、破産手続開始後に破産財団のためにされた行為によって生じた請求権等は財団債権として、破産債権に先立ち破産手続によらずに随時弁済を受けることができる(破産法148条1項)。破産手続開始後は相殺が一切認められないとする記述も適切でなく、破産債権者は破産手続開始の時において債務者に対して債務を負担するなど一定の要件を満たすときは、破産手続によらずに相殺をすることができる(破産法67条1項)。すべての破産債権が一律に同順位とされ優先順位の区別がないとする記述も適切でなく、破産債権には優先的破産債権・一般破産債権・劣後的破産債権の順位の区別がある(破産法98条、99条等)。破産手続開始後も個別に強制執行をして満足を得られるとする記述も適切でなく、破産手続開始の決定があると破産債権に基づく強制執行等は原則として禁止され、既にされている手続も効力を失うのが原則であって、破産債権は破産手続によらなければ行使することができない(破産法42条1項・2項、100条1項)。よって最も適切なものは破産債権の届出に関する記述である。
一問一答
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