問題
選択肢
- 1請負契約においては仕事が完成しなければおよそ報酬は発生しないため、既に施工した部分から可分な利益が注文者A社に生じている場合であっても、B社は報酬を一切請求することができない。
- 2システム開発の委託は契約の文言にかかわらず常に準委任契約と解されるため、B社には仕事を完成させる義務はなく、B社は履行の割合に応じて当然に報酬の全額を請求することができる。
- 3本契約は成果物の完成を目的とする以上、原則として請負契約と解され、注文者の責めに帰することができない事由により仕事の完成が不能となった場合でも、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その割合に応じてB社は報酬を請求することができる場合がある。
- 4注文者A社の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず仕事が完成不能となった場合、B社は危険負担における債権者主義により、当然に報酬の全額を請求することができる。
- 5請負契約が仕事の完成前に注文者A社の任意の意思により解除された場合であっても、A社は既施工部分の有無にかかわらず一切報酬を支払う必要はなく、B社に生じた損害を賠償すれば足りる。
正解
3. 本契約は成果物の完成を目的とする以上、原則として請負契約と解され、注文者の責めに帰することができない事由により仕事の完成が不能となった場合でも、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その割合に応じてB社は報酬を請求することができる場合がある。
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解説
成果物の完成を目的とする以上この契約は原則として請負と解され、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その割合に応じて報酬を請求できる場合があるとする記述が最も適切である。改正民法634条は、注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき(1号)や、請負が仕事の完成前に解除されたとき(2号)でも、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなし、注文者が受ける利益の割合に応じた報酬の請求を認める。仕事が完成しなければ可分な利益があっても報酬を一切請求できないとする記述は誤りで、上記のとおり割合に応じた報酬が認められうる。システム開発の委託は契約の文言にかかわらず常に準委任と解されるとする記述も誤りで、契約の目的が成果物の完成にあれば請負と評価され、システム開発が一律に準委任となるわけではない。危険負担の債権者主義により当然に報酬の全額を請求できるとする記述も誤りで、債権者主義を定めていた旧534条は改正で削除されており、当事者双方の責めに帰することができない事由によって仕事を完成できなくなったときは、注文者は反対給付である報酬の支払を拒むことができる(536条1項)。注文者の任意の解除の場合は既施工部分の有無にかかわらず報酬を一切支払う必要がないとする記述も誤りで、注文者は仕事の完成前はいつでも損害を賠償して契約を解除できる(641条)が、その場合でも可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その割合に応じた報酬が発生しうる(634条2号)。
一問一答
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