問題
A社はB社に対して300万円の貸金債権を有していたが、約定の弁済期を過ぎても返済がされていない。債権の消滅時効に関する次の①〜⑤の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または権利を行使することができる時から10年間行使しないときのいずれか早い時の経過によって、時効により消滅するのが原則である。
- 2債務者が時効の完成後に債務の存在を承認した場合であっても、その承認の時に時効が完成していた事実を知らなかったのであれば、債務者は後にその時効を援用して支払を免れることができる。
- 3債権者が裁判上の請求(訴えの提起)をした場合、その訴えが取下げまたは却下によって確定判決等によらずに終了したときは、時効の完成猶予の効力は一切生じず、訴え提起の時点にさかのぼって時効が進行する。
- 4当事者は、時効の利益をあらかじめ放棄することができ、金銭消費貸借契約において「債務者は本債務について時効を援用しない」と定めれば、その特約は常に有効である。
- 5債務の一部の弁済は、残部の債務の承認には当たらないため、債務者が債務の一部を弁済しても、残部の債権について時効の更新の効力が生じることはない。
正解
1. 債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または権利を行使することができる時から10年間行使しないときのいずれか早い時の経過によって、時効により消滅するのが原則である。
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解説
主観的起算点から5年・客観的起算点から10年のいずれか早い時の経過で時効消滅するとする①が適切。改正民法166条1項は債権の消滅時効を「権利行使できることを知った時(主観的起算点)から5年」と「権利行使できる時(客観的起算点)から10年」の二本立てとし、いずれか早い方の満了で時効が完成する。②は誤りで、時効完成後に債務を承認した者は、たとえ完成を知らなくても信義則上その後の時効援用は許されない(判例)。③も誤りで、裁判上の請求が取下げ等で終了しても、その終了の時から6か月を経過するまでは時効の完成猶予が続く(147条1項)。④も誤りで、時効の利益はあらかじめ放棄することができない(146条)。⑤も誤りで、債務の一部弁済は残部を含む債務の承認に当たると解され、承認は時効の更新事由となる(152条)。
一問一答
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