問題
A株式会社(取締役会設置会社)の代表取締役Bが、取締役会の承認を得ずに、A社の重要な財産である工場用地をBの個人的な知人Cに売却した。取締役の利益相反取引および代表権の制限に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1代表取締役の行為はその内部的制限にかかわらず常に有効であり、A社は取締役会決議の欠缺を理由にCに対し無効を主張する余地は一切ない。
- 2重要な財産の処分は取締役会の決議事項であり、これを欠く代表取締役の行為は、相手方が決議を欠くことを知りまたは知り得た場合には無効となりうる。
- 3この取引はB自身が買主ではないため利益相反取引に該当する余地はなく、いかなる場合も取締役会の承認は不要である。
- 4重要な財産の処分であっても、代表取締役単独の判断で行えば足り、取締役会の決議は不要である。
正解
2. 重要な財産の処分は取締役会の決議事項であり、これを欠く代表取締役の行為は、相手方が決議を欠くことを知りまたは知り得た場合には無効となりうる。
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解説
重要な財産の処分は取締役会決議事項であり相手方が決議の欠缺につき悪意・有過失なら無効となりうるとする記述が適切。会社法362条4項は重要な財産の処分・譲受けを取締役会の専決事項とし、これを欠く代表取締役の行為について判例は、原則有効だが相手方が決議を欠くことを知りまたは知り得たときは無効になりうるとする(相手方保護と取引安全の調整)。常に有効で無効を主張する余地が一切ないとする記述は誤りで、上記の通り例外的に無効となりうる。買主がB自身でないため利益相反に該当する余地がなく承認不要とする記述も誤りで、知人Cへの売却でも、B個人の利益を図る等の事情によっては利益相反(間接取引)に当たる余地がある。代表取締役単独で行えば足り取締役会決議不要とする記述も誤りで、重要財産の処分は取締役会決議を要し代表取締役単独では決定できない。
一問一答
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