問題
選択肢
- 1株主代表訴訟は少数株主権であり、総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主でなければ、これを提起することができない。
- 2株主が株主代表訴訟を提起するには、保有する株式の数の多寡を問わず、あらかじめ会社に対して請求をすることなく、いきなり裁判所に訴えを提起すれば足りる。
- 3Bは、原則として6か月前から引き続き株式を有する株主であることを要し、まず会社に対して取締役Cの責任を追及する訴えを提起するよう書面等により請求し、会社がその請求の日から60日以内に訴えを提起しないときに、自ら責任追及等の訴えを提起することができる。
- 4株主代表訴訟においてBが勝訴し、取締役Cが損害賠償義務を負う旨の判決が確定した場合、その賠償金は訴えを提起した株主Bに対して直接支払われる。
- 5株主代表訴訟の対象となる責任は取締役の会社に対する任務懈怠責任に限られ、会社が取締役に対して有する取引上の債務の履行を求めることはおよそできない。
正解
3. Bは、原則として6か月前から引き続き株式を有する株主であることを要し、まず会社に対して取締役Cの責任を追及する訴えを提起するよう書面等により請求し、会社がその請求の日から60日以内に訴えを提起しないときに、自ら責任追及等の訴えを提起することができる。
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解説
6か月前から引き続き株式を有する株主が、まず会社に対して訴えの提起を請求し、会社が60日以内に訴えを提起しないときに自ら責任追及等の訴えを提起できるとする記述が最も適切である。会社法847条は、公開会社では6か月(これを下回る期間を定款で定めることもできる)前から引き続き株式を有する株主(単独株主権)が、まず会社に対し書面その他の方法により責任追及等の訴えの提起を請求し(1項)、会社が請求の日から60日以内に訴えを提起しないときに、自ら責任追及等の訴えを提起できると定める(3項)。代表訴訟を総株主の議決権の100分の3以上を要する少数株主権とする記述は誤りで、代表訴訟は議決権数や持株数の要件のない単独株主権である。会社への請求をせずにいきなり提訴できるとする記述も誤りで、原則として事前の会社への提訴請求が必要である(60日の経過により会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合に限り、直ちに提訴できる。847条5項)。賠償金は提訴した株主に直接支払われるとする記述も誤りで、代表訴訟は株主が会社のために会社の権利を行使するものであり、勝訴により得られる賠償金は会社に帰属し、提訴株主個人には支払われない。対象は任務懈怠責任に限られ取引上の債務の履行は求められないとする記述も誤りで、判例は、責任追及等の訴えの対象には、取締役の地位に基づく責任のほか、取締役が会社との取引によって負担した債務についての責任も含まれるとする(最判平成21年3月10日)。
一問一答
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