問題
取引先であるB社が民事再生手続開始の申立てを行った。B社に対して債権を有するA社の立場および倒産手続における債権の取扱いに関する次の①〜⑤の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1再生手続開始の決定があった場合、再生債権者は債権の届出をしなくても当然に再生計画に基づく弁済を受けることができ、債権届出をする必要はない。
- 2抵当権などの担保権を有する債権者(別除権者)は、その担保権を民事再生手続の中でのみ行使することができ、再生手続によらずに手続外で担保権を実行することは一切認められない。
- 3A社が再生手続開始の時においてB社に対して債務を負担している場合には、A社は、一定の要件の下でその債務と自己の再生債権とを相殺することにより、事実上優先的に債権を回収することができる場合がある。
- 4再生計画は、再生債務者がこれを作成しさえすれば足り、再生債権者の決議による可決や裁判所の認可を経ることなく、当然にその効力を生ずる。
- 5再生手続が開始された後に再生債務者の事業の継続に必要な資金を貸し付けたことにより生じた債権(共益債権等)は、再生債権として届出をしなければ一切弁済を受けることができない。
正解
3. A社が再生手続開始の時においてB社に対して債務を負担している場合には、A社は、一定の要件の下でその債務と自己の再生債権とを相殺することにより、事実上優先的に債権を回収することができる場合がある。
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
相殺により事実上優先的な回収を図ることができる場合があるとする③が適切。再生債権者が再生手続開始時に再生債務者に対して債務を負担している場合、一定の要件・期間内であれば相殺が認められ、相殺は担保的機能を持つため事実上優先的な回収手段となりうる(民事再生法92条)。①は誤りで、再生債権は原則として債権届出をしなければ手続上の権利行使ができず失権しうる。②も誤りで、民事再生では担保権者は別除権者として手続外で担保権を実行できるのが原則である(会社更生とは異なる)。④も誤りで、再生計画は再生債権者の決議による可決と裁判所の認可を経て効力を生じる。⑤も誤りで、再生手続開始後の事業継続に必要な資金の借入れ等により生じた債権は共益債権として、再生手続によらず随時弁済を受けられる(再生債権としての届出を要しない)から誤り。
一問一答
全400問を繰り返し学習