問題
A社は、海外に所在するC社との間で機械を輸入する旨の国際物品売買契約を締結しようとしている。国際取引の実務および紛争解決に関する次の①〜⑤の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1日本とC社の所在国がいずれも国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約・CISG)の締約国である場合であっても、同条約が当事者間の売買契約に適用される余地は一切ない。
- 2国際売買においては、貿易条件の解釈の食い違いを避けるために、国際商業会議所(ICC)が定めたインコタームズが広く用いられており、FOBやCIFといった条件によって、売主・買主間における危険(リスク)の移転時期や費用負担の範囲が定まる。
- 3国際取引上の紛争の解決手段として仲裁を選択し仲裁判断がされた場合であっても、その仲裁判断には何らの拘束力もなく、相手方が任意にこれに従わない限り、これを強制的に実現する手段はおよそ存在しない。
- 4荷為替信用状(L/C)を用いた取引においては、銀行は、売買契約の履行状況そのものを実質的に審査して支払の可否を判断するのであって、呈示された船積書類等が信用状の条件に合致しているかどうかの点検は行わない。
- 5国際物品売買契約においては、当事者が契約準拠法を自由に選択することは認められておらず、必ず売主の所在国の法が準拠法となるものとされている。
正解
2. 国際売買においては、貿易条件の解釈の食い違いを避けるために、国際商業会議所(ICC)が定めたインコタームズが広く用いられており、FOBやCIFといった条件によって、売主・買主間における危険(リスク)の移転時期や費用負担の範囲が定まる。
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解説
インコタームズが広く用いられFOBやCIF等で危険移転時期や費用負担が定まるとする②が適切。インコタームズ(ICC制定の貿易条件の定型的解釈規則)は国際売買で広く利用され、FOB・CIF等の条件によって売主・買主間の費用負担と危険(リスク)の移転時期が定まり、解釈の齟齬を防ぐ。①は誤りで、当事者双方の国がCISG締約国であれば原則として同条約が適用され(当事者が排除しない限り)、日本も締約国である。③も誤りで、仲裁判断は確定判決と同一の効力を持ち、ニューヨーク条約により締約国間で外国仲裁判断の承認・執行が確保される。④も誤りで、信用状取引は書類取引であり、銀行は呈示された書類が信用状条件に文面上合致するかを点検して支払う(独立抽象性の原則)のであって、契約の履行状況そのものを審査するのではない。⑤も誤りで、国際取引では当事者自治の原則により契約準拠法を当事者が選択でき、必ず売主の所在国法によるわけではない。
一問一答
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