問題
A社は、原材料の継続的な供給を受けるため、供給業者であるB社との間で取引基本契約を締結し、具体的な数量・納期等は個別の注文書および請書によって定める旨を合意した。隔地者間における契約の成立に関する次の①〜⑤の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1A社とB社が取引基本契約において「個別契約はA社の注文書がB社に到達した時に成立する」と定めた場合であっても、B社が請書を返送しない限り、当該個別契約は成立しない。
- 2承諾期間の定めのない申込みを受けたB社が、相当の期間を経過した後に承諾の通知を発した場合、A社はこれを新たな申込みとみなすことはできず、当該承諾によって当然に契約が成立する。
- 3B社がA社の申込みに対して、その内容に条件を付し、または変更を加えて承諾をした場合であっても、その変更が実質的に軽微なものである限り、A社の申込みの内容どおりに契約が成立する。
- 4A社がB社に対して発した申込みの意思表示は、それがB社に到達する前であっても、いったん発信された以上は、A社がこれを撤回することはできない。
- 5A社からB社に対する申込みに承諾期間の定めがある場合において、その期間内にB社の承諾の通知がA社に到達しなかったときは、当該申込みはその効力を失う。
正解
5. A社からB社に対する申込みに承諾期間の定めがある場合において、その期間内にB社の承諾の通知がA社に到達しなかったときは、当該申込みはその効力を失う。
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
正解は⑤。改正民法523条2項は、承諾期間を定めてした申込みについて、その期間内に承諾の通知を受けなかったときは申込みはその効力を失うと定める(改正により承諾も到達主義に統一された)。①は不適切で、当事者は契約の成立時期を特約で自由に定めることができるため、「注文書の到達時に成立する」と合意していれば、請書の返送がなくても個別契約は成立する。③は不適切で、申込みに条件を付しまたは変更を加えた承諾は、申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなされる(民法528条)のであり、変更が軽微であっても当然に原契約どおり成立するわけではない。④は不適切で、申込みが相手方に到達する前であれば、原則として撤回することができ、撤回の通知が承諾の通知より先にまたは同時に到達すれば撤回が効力を生じる。②は不適切で、遅延した承諾は、申込者がこれを新たな申込みとみなすことができる(民法524条)のであって、当然に契約が成立するわけではない。基本契約と個別契約の成立時期の合意は実務で頻出の論点である。
一問一答
全400問を繰り返し学習