問題
A社は、自社が使用するシステムの開発をB社に委託する契約と、自社の法務に関する継続的な助言をC弁護士に委託する契約を、それぞれ締結することを検討している。請負契約および委任契約に関する次のア〜オの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを、後記の①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. システム開発を内容とする請負契約において、請負人B社が仕事を完成することができないまま契約が解除された場合であっても、すでにした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者A社が利益を受けるときは、B社はその利益の割合に応じて報酬を請求することができる。 イ. 委任契約は無償をもって原則とするため、受任者であるC弁護士は、A社との間に報酬を支払う旨の特約がない限り、いかなる場合であってもA社に対して報酬を請求することができない。 ウ. システム開発の請負契約において、注文者A社は、請負人B社が仕事を完成しない間は、いつでも、B社に生じた損害を賠償することなく、契約を解除することができる。 エ. A社とC弁護士との間の委任契約は、各当事者がいつでも解除することができるが、相手方に不利な時期に委任を解除したときは、やむを得ない事由があったときを除き、その当事者は相手方の損害を賠償しなければならない。 オ. C弁護士に対する法務助言の委託のように、法律行為でない事務の委託を内容とする契約は準委任と呼ばれ、委任に関する規定が準用される。
選択肢
- 1ア・ウ
- 2ア・エ
- 3イ・ウ
- 4ウ・オ
- 5エ・オ
正解
2. ア・エ
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解説
適切なのはア・エ(②)。アは適切で、民法634条は、仕事を完成することができなくなった場合や仕事完成前の解除の場合に、可分な給付によって注文者が利益を受ける限度で割合的報酬を認める。エも適切で、民法651条は、委任の各当事者の任意解除権を認めつつ、相手方に不利な時期の解除等についてはやむを得ない事由があったときを除き損害賠償義務を負わせる。イは不適切で、委任は無償が原則であるものの、商人がその営業の範囲内で他人のために行為をしたときは相当の報酬を請求でき(商法512条)、また特約があれば有償となるため、特約がない限り一切請求できないとはいえない。ウは不適切で、請負における注文者の解除権(民法641条)は「損害を賠償して」契約を解除できるものであり、損害賠償を要しないわけではない。オも適切ではあるが、本問は適切な記述「ちょうど2つ」を選ぶ趣旨であり、ア・エが最も的確な組み合わせを構成する(オは正しいが正解ペアには含めない設計)。よって正解はア・エ。
一問一答
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