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企業取引の法務難易度: 標準

ビジネス実務法務検定2級 予想問題企業取引の法務 第6問

問題

A社は、不特定多数の顧客に対して同一内容のオンラインサービスを提供するにあたり、自社が準備した標準的な契約条項(約款)を用いて契約を締結している。改正民法における定型約款に関する次の①〜⑤の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つ選びなさい。

選択肢

  1. 1定型約款の個別の条項のうち、相手方の権利を制限し、または相手方の義務を加重する条項であって、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについても、それが約款に記載されている以上、当然に契約の内容となる。
  2. 2A社は、いったん契約の内容とした定型約款を変更しようとする場合には、その変更の内容のいかんを問わず、相手方一人ひとりから個別の同意を得なければならない。
  3. 3A社が定型約款を契約の内容とした場合において、相手方から当該定型約款の内容を示すよう請求があったときであっても、A社はその内容を相手方に開示する義務を負わない。
  4. 4A社が定型取引を行うことの合意(定型取引合意)をした者との間で、定型約款を契約の内容とする旨をあらかじめ相手方に表示していた場合には、相手方が約款の個別の条項の内容を認識していなかったときであっても、原則としてその個別の条項についても合意をしたものとみなされる。
  5. 5A社が用いる契約条項は、それが不特定多数の者を相手方とするものであっても、定型約款に該当するためには、相手方ごとに個別の交渉を経て内容が定められたものでなければならない。

正解

4. A社が定型取引を行うことの合意(定型取引合意)をした者との間で、定型約款を契約の内容とする旨をあらかじめ相手方に表示していた場合には、相手方が約款の個別の条項の内容を認識していなかったときであっても、原則としてその個別の条項についても合意をしたものとみなされる。

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解説

正解は④。民法548条の2第1項は、定型取引合意をし、かつ定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していた等の場合には、個別の条項を認識していなくても合意をしたものとみなす(みなし合意)と定める。②は不適切で、民法548条の4は、変更が相手方の一般の利益に適合するとき、または契約目的に反せず変更の必要性・相当性等に照らして合理的であるときは、個別の同意を得ることなく定型約款を変更できると定める。③は不適切で、民法548条の3は、相手方から請求があった場合には遅滞なく定型約款の内容を示す義務があると定める。①は不適切で、相手方の利益を一方的に害し信義則に反する条項は、みなし合意の対象から除外される(不当条項規制、民法548条の2第2項)。⑤は不適切で、定型約款は「不特定多数の者を相手方として行う取引で、内容の全部または一部が画一的であることが双方にとって合理的なもの(定型取引)」において一方が準備した条項の総体をいい、相手方ごとの個別交渉を経たものはむしろ定型約款に当たらない。約款を多用する事業者にとって極めて重要な改正である。

一問一答

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