問題
A社(売主)はB社(買主)との間で特定の機械の売買契約を締結した。引渡しの前後において当該機械が滅失・損傷した場合の処理が問題となる。改正民法における危険負担および同時履行の抗弁権に関する次のア〜オの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを、後記の①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. 双務契約である本件売買において、当事者の一方が履行の提供をするまでは、相手方は自己の債務の履行を拒むことができる同時履行の抗弁権を有する。 イ. A社が機械をB社に引き渡した後に、当事者双方の責めに帰することができない事由によってその機械が滅失したときであっても、B社は代金の支払を拒むことができる。 ウ. 機械が引渡しの前に、当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失した場合、B社は、A社からの代金支払請求に対し、その支払を拒むことができる。 エ. 機械の滅失がB社(債権者)の責めに帰すべき事由によって生じた場合であっても、B社は代金の支払を拒むことができる。 オ. 機械の滅失がA社(債務者・売主)の責めに帰すべき事由によって生じ、履行が不能となった場合、B社は、A社に対して債務不履行に基づく損害賠償を請求することはできるが、契約を解除することはできない。
選択肢
- 1ア・ウ
- 2ア・エ
- 3イ・ウ
- 4ウ・オ
- 5エ・オ
正解
1. ア・ウ
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解説
適切なのはア・ウ(①)。アは適切で、民法533条の同時履行の抗弁権の基本を述べている。ウも適切で、改正民法536条1項は、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者(買主B社)は反対給付(代金支払)の履行を拒むことができると定める(旧法の債権者主義は廃止された)。イは不適切で、目的物の引渡し後に双方無責の事由で滅失した場合は、引渡しによって危険が買主に移転している(民法567条1項)ため、B社は代金の支払を拒むことができない。エは不適切で、債権者B社の責めに帰すべき事由による履行不能の場合には、B社は反対給付の履行を拒むことができない(民法536条2項)。オは不適切で、債務者A社の責めに帰すべき事由による履行不能の場合、B社は催告をすることなく直ちに契約を解除することができ(民法542条1項1号)、かつ損害賠償の請求もできる。改正民法が危険の移転時期を「引渡し」に明確化した点が実務上重要である。
一問一答
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