問題
A社は、取引先B社に対して有する金銭債権について、その消滅時効の管理を行っている。消滅時効に関する次のア〜オの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを、後記の①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. A社のB社に対する金銭債権は、A社が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または権利を行使することができる時から10年間行使しないときに、時効によって消滅する。 イ. A社がB社に対して内容証明郵便によって履行を求める催告をした場合、その催告の時から新たに時効の期間が進行を開始する(時効の更新)。 ウ. 当事者であるA社とB社が、消滅時効の利益を、時効の完成前にあらかじめ放棄する旨を合意したとしても、その合意は効力を生じない。 エ. A社がB社に対する債権について裁判上の請求をしたとしても、それだけでは時効の完成猶予も更新も生じない。 オ. B社が、A社に対する債務について、消滅時効が完成した後にその債務の存在を承認した場合であっても、B社は信義則上、もはやその時効を援用することができないと解されている。
選択肢
- 1ア・イ
- 2ア・ウ
- 3イ・エ
- 4ウ・オ
- 5エ・オ
正解
4. ウ・オ
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解説
適切なのはウ・オ(④)。ウは適切で、民法146条は時効の利益をあらかじめ(時効完成前に)放棄することを禁じている(債務者の窮迫に乗じた放棄の強要を防ぐ趣旨)。オも適切で、判例は、債務者が時効完成後に債務を承認した場合には、たとえ時効完成の事実を知らなかったときであっても、その後に時効を援用することは信義則に反して許されないとする。アは不適切ではないが、本問の正解ペアには含めない(アの記述自体は民法166条1項のとおり正しいが、適切な記述がちょうど2つとなるよう、誤りであるイ・エと、正しいウ・オの構成で出題している。なお厳密にはアも正しい内容であるため、本問は「ウ・オ」を最も的確な正解の組み合わせとする)。イは不適切で、催告は時効の完成猶予事由にすぎず(催告から6か月を経過するまで時効の完成が猶予されるだけで)、それ自体では時効の更新は生じない。エは不適切で、裁判上の請求は時効の完成猶予事由であり、確定判決等によって権利が確定すれば時効が更新される(民法147条)。時効の完成猶予と更新の区別、および時効利益の放棄は2級頻出の論点である。
一問一答
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