問題
A社(公開会社)の株主Xは、取締役Yの違法な職務執行によってA社が損害を被ったと考え、その責任を追及することを検討している。株主代表訴訟および株主の権利に関する次の①〜⑤の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1株主代表訴訟は、その対象が取締役の会社に対する責任の追及であるから、すでに退任した取締役に対しては提起することができない。
- 2A社が公開会社である場合、株主代表訴訟を提起するには、訴えの提起の時において発行済株式の総数の100分の3以上の株式を有していることが必要である。
- 3株主Xが会社の会計帳簿の閲覧または謄写を請求するには、議決権または発行済株式の総数の100分の1以上を有していれば足りる。
- 4株主代表訴訟においてXが勝訴し、取締役Yから損害賠償金が回収された場合、その賠償金は、訴訟を追行した株主Xに帰属する。
- 5株主代表訴訟を提起しようとする株主Xは、まずA社に対して取締役Yの責任を追及する訴えを提起するよう書面等により請求し、原則としてその請求の日から60日以内にA社が訴えを提起しないときに、自らその訴えを提起することができる。
正解
5. 株主代表訴訟を提起しようとする株主Xは、まずA社に対して取締役Yの責任を追及する訴えを提起するよう書面等により請求し、原則としてその請求の日から60日以内にA社が訴えを提起しないときに、自らその訴えを提起することができる。
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解説
正解は⑤。会社法847条1項・3項は、株主が会社に対して取締役の責任を追及する訴えの提起を請求し、原則として請求の日から60日以内に会社が訴えを提起しないときに、株主が自ら責任追及等の訴え(株主代表訴訟)を提起できると定める。②は不適切で、公開会社における代表訴訟の要件は、6か月(定款で短縮可)前から引き続き株式を有することであって、100分の3以上といった持株比率の要件はない(単独株主権)。③は不適切で、会計帳簿の閲覧謄写請求権は、議決権または発行済株式の総数の100分の3以上を有する株主の権利である(会社法433条1項)。④は不適切で、代表訴訟は株主が会社のために提起するものであり、回収された賠償金は会社に帰属し、株主個人には帰属しない。①は不適切で、責任追及の対象となる責任は在任中の任務懈怠等に基づくものであれば足り、退任後であってもその責任を追及する代表訴訟を提起できる。代表訴訟の要件と効果は頻出である。
一問一答
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