問題
A社は、株主への剰余金の配当を計画するにあたり、会社法上の財源規制等を確認している。株式会社の計算および剰余金の配当に関する次のア〜オの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを、後記の①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. A社は、剰余金の配当により株主に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額が、その配当の効力発生日における分配可能額を超えて、剰余金の配当をすることができない。 イ. A社が剰余金の配当をする場合には、その配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を、準備金(資本準備金または利益準備金)の合計額が資本金の額の4分の1に達するまで、準備金として計上しなければならない。 ウ. A社が分配可能額を超えて剰余金の配当(違法配当)をした場合であっても、その配当により金銭等の交付を受けた株主が、配当時に分配可能額を超えることを知らなかったときは、その株主は会社に対して交付を受けた額に相当する金銭を支払う義務を負わない。 エ. A社の剰余金の配当は、必ず定時株主総会においてのみ決定することができ、事業年度の途中において配当をすることは一切できない。 オ. A社が剰余金の配当をするには、原則として、その都度、株主総会の決議によって配当財産の種類および帳簿価額の総額等を定めなければならない。
選択肢
- 1ア・ウ
- 2ア・オ
- 3イ・エ
- 4ウ・エ
- 5イ・オ
正解
2. ア・オ
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解説
適切なのはア・オ(②)。アは適切で、会社法461条1項の財源規制であり、剰余金の配当等は分配可能額の範囲内に限られる(債権者保護のための資本維持)。オも適切で、会社法454条1項は、剰余金の配当をしようとするときは原則としてその都度株主総会の決議によって配当財産の種類・帳簿価額の総額・割当てに関する事項・効力発生日を定めなければならないとする。イは適切な内容に見えるが、準備金の計上は「その都度、剰余金配当により減少する剰余金額の10分の1を、準備金が資本金の4分の1に達するまで計上する」もの(会社法445条4項、会社計算規則22条)で、本記述はおおむね正しいものの、本問は適切な記述がちょうど2つとなる設計であり、より明確に正しいア・オを正解の組み合わせとする。ウは不適切で、違法配当の場合、金銭等の交付を受けた株主は善意・悪意を問わず交付額相当の支払義務を負う(会社法462条1項)。エは不適切で、剰余金の配当は分配可能額がある限り事業年度の途中でも回数の制限なく決定でき、定時株主総会に限られない。資本維持の原則の理解が問われる。
一問一答
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