問題
A社は、自社が製造した製品を市場に流通させており、製造物責任法(PL法)に基づく責任について理解を深めようとしている。製造物責任法に関する次の①〜⑤の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1A社が製造物を引き渡した時から10年を経過したとしても、被害者が損害および賠償義務者を知った時から3年間は、製造物責任に基づく損害賠償請求権は消滅しない。
- 2製造物責任法における「製造物」には、製造または加工された動産のほか、未加工の農産物や不動産も当然に含まれる。
- 3A社の製造物の欠陥により生じた損害が、その欠陥のある製造物そのものについてのみ生じ、他の財産や人身に及んでいない場合であっても、A社は、製造物責任法に基づく損害賠償責任を負う。
- 4A社は、製造物をその引渡しをした時における科学または技術に関する知見によっては、その製造物に欠陥があることを認識することができなかった場合であっても、その欠陥について製造物責任を免れることはできない。
- 5A社が製造した製造物の欠陥により、他人の生命・身体または財産に損害が生じた場合には、被害者は、A社の故意・過失を証明しなくても、製造物に欠陥が存在したこと、損害が発生したこと、および欠陥と損害との間の因果関係を証明すれば、A社に対して損害賠償を請求することができる。
正解
5. A社が製造した製造物の欠陥により、他人の生命・身体または財産に損害が生じた場合には、被害者は、A社の故意・過失を証明しなくても、製造物に欠陥が存在したこと、損害が発生したこと、および欠陥と損害との間の因果関係を証明すれば、A社に対して損害賠償を請求することができる。
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解説
正解は⑤。製造物責任法3条は、製造物の欠陥により他人の生命・身体・財産に損害が生じた場合の無過失責任を定め、被害者は製造業者等の故意・過失を立証する必要がなく、欠陥・損害・因果関係を証明すれば足りる(被害者の立証負担の軽減)。②は不適切で、対象となる「製造物」は製造または加工された動産に限られ、未加工の農産物・不動産・サービス等は含まれない(同2条1項)。③は不適切で、損害が欠陥のある製造物そのものについてのみ生じた場合(いわゆる拡大損害がない場合)は、製造物責任法による賠償の対象外であり(同3条ただし書)、契約不適合責任等の問題となる。④は不適切で、引渡し時の科学・技術の知見によって欠陥を認識することができなかった場合には、開発危険の抗弁により免責されうる(同4条1号)。①は不適切で、製造物責任に基づく損害賠償請求権は、原則として製造業者等が製造物を引き渡した時から10年を経過したときに消滅し(同5条1項2号。期間制限)、被害者の認識から3年が経過していなくても、引渡しから10年の経過により消滅しうる。PL法の無過失責任と免責事由は頻出である。
一問一答
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