問題
A社は、取引先B社との間の紛争について、通常の訴訟手続によらずに解決する方法(裁判外紛争解決手続を含む)を検討している。紛争の解決方法に関する次の①〜⑤の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1A社とB社との間に有効な仲裁合意がある紛争について、一方の当事者が裁判所に訴えを提起した場合には、原則として、相手方の申立てにより、裁判所はその訴えを却下する。
- 2A社とB社との間で民事調停において調停が成立し、これを調書に記載した場合であっても、その合意には何らの法的拘束力もなく、確定判決のような効力は生じない。
- 3A社とB社との間の紛争について仲裁判断がされた場合であっても、その仲裁判断は当事者を拘束せず、これに不服のある当事者は、自由に裁判所へ控訴をすることができる。
- 4A社とB社との間の訴訟手続において裁判上の和解が成立し、これを調書に記載した場合であっても、それは当事者間の私的な合意にすぎず、確定判決と同一の効力を有しない。
- 5A社とB社との間の紛争について、当事者が将来生じうる紛争を仲裁により解決する旨をあらかじめ合意すること(仲裁合意)は、紛争発生前にされたものである限り、その効力を有しない。
正解
1. A社とB社との間に有効な仲裁合意がある紛争について、一方の当事者が裁判所に訴えを提起した場合には、原則として、相手方の申立てにより、裁判所はその訴えを却下する。
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解説
正解は①。仲裁法により、有効な仲裁合意がある紛争について一方の当事者が訴えを提起しても、相手方が本案について弁論等をする前に妨訴抗弁を申し立てれば、裁判所はその訴えを却下する(仲裁の自律性の尊重)。②は不適切で、民事調停で成立した合意を記載した調停調書は確定判決と同一の効力を有し(民事調停法16条)、債務名義となる。③は不適切で、仲裁判断は確定判決と同一の効力を有して当事者を拘束し、原則として不服申立て(控訴)はできず、限定的な取消事由がある場合に取消しの訴えができるにとどまる。④は不適切で、裁判上の和解を記載した和解調書は確定判決と同一の効力を有する(民事訴訟法267条)。⑤は不適切で、仲裁合意は、将来生じうる紛争に関するものであっても有効であり、現に紛争が生じた後にされたものに限られない。ADR各手続の効力の違いは2級頻出である。
一問一答
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