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企業財産と知的財産難易度: 標準

ビジネス実務法務検定2級 一問一答企業財産と知的財産 第55問

問題

A社のシステムエンジニアBが、退職に際してA社の顧客名簿データ(営業秘密として管理)を不正に複製して持ち出し、転職先で利用した。この事案に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1従業員が在職中に正当にアクセスできた情報である以上、退職後にそれを複製・利用しても何ら法的問題は生じない。
  2. 2営業秘密の侵害はもっぱら民事の問題であり、Bの行為がいかに悪質でも刑事責任を問われることはない。
  3. 3顧客名簿が秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を満たす営業秘密であれば、Bの持出し・使用は不正競争に当たり、A社はBや転職先に対し差止め・損害賠償を請求できる場合がある。
  4. 4顧客名簿は営業上の情報であって技術情報ではないため、いかなる場合も不正競争防止法の営業秘密として保護されることはない。

正解

3. 顧客名簿が秘密管理性・有用性・非公知性の3要件を満たす営業秘密であれば、Bの持出し・使用は不正競争に当たり、A社はBや転職先に対し差止め・損害賠償を請求できる場合がある。

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解説

顧客名簿は、アクセス制限等により秘密として管理され(秘密管理性)、事業活動に有用で(有用性)、公然と知られていない(非公知性)という3要件を満たせば、不正競争防止法上の営業秘密として保護される。図利加害目的での不正な持出し・使用は同法2条1項の不正競争に当たり、A社はBや、不正取得を知って取得・使用した転職先に対して差止めや損害賠償を請求できる場合がある(3条・4条)。よって、顧客名簿が3要件を満たす営業秘密であればBの持出し・使用は不正競争に当たりA社がBや転職先に差止め・損害賠償を請求できる場合があるとする記述が正解。顧客名簿等の営業情報も営業秘密になり得るから、顧客名簿は技術情報でないためいかなる場合も営業秘密として保護されないとする記述は誤り。在職中に正当にアクセスできた情報でも、図利加害目的での持出し・使用は不正競争・不法行為となり得るので、在職中に正当にアクセスできた情報なら退職後に複製・利用しても何ら法的問題は生じないとする記述は誤り。悪質な営業秘密侵害には営業秘密侵害罪(21条)の刑事責任も問われ得るため、営業秘密の侵害はもっぱら民事の問題で刑事責任を問われることはないとする記述も誤り。退職者対策の典型事例である。

一問一答

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