行政書士トップに戻る
行政法難易度: 標準2021年度

行政書士 過去問行政法 第31問

問題

取消訴訟の原告適格に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 (注)*公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律

選択肢

  1. 1地方鉄道法(当時)による鉄道料金の認可に基づく鉄道料金の改定は、当該鉄道の利用者に直接の影響を及ぼすものであるから、路線の周辺に居住し、特別急行を利用している者には、地方鉄道業者の特別急行料金の改定についての認可処分の取消しを求める原告適格が認められる。
  2. 2文化財保護法は、文化財の研究者が史跡の保存・活用から受ける利益について、同法の目的とする一般的、抽象的公益のなかに吸収・解消させずに、特に文化財の学術研究者の学問研究上の利益の保護について特段の配慮をしている規定を置いているため、史跡を研究の対象とする学術研究者には、史跡の指定解除処分の取消しを求める原告適格が認められる。
  3. 3不当景品類及び不当表示防止法は、公益保護を目的とし、個々の消費者の利益の保護を同時に目的とするものであるから、消費者が誤認をする可能性のある商品表示の認定によって不利益を受ける消費者には、当該商品表示の認定の取消しを求める原告適格が認められる。
  4. 4航空機の騒音の防止は、航空機騒音防止法*の目的であるとともに、航空法の目的でもあるところ、定期航空運送事業免許の審査にあたっては、申請事業計画を騒音障害の有無および程度の点からも評価する必要があるから、航空機の騒音によって社会通念上著しい障害を受ける空港周辺の住民には、免許の取消しを求める原告適格が認められる。
  5. 5都市計画事業の認可に関する都市計画法の規定は、事業地の周辺に居住する住民の具体的利益を保護するものではないため、これらの住民であって騒音、振動等による健康または生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのあるものであっても、都市計画事業認可の取消しを求める原告適格は認められない。

正解

4. 航空機の騒音の防止は、航空機騒音防止法*の目的であるとともに、航空法の目的でもあるところ、定期航空運送事業免許の審査にあたっては、申請事業計画を騒音障害の有無および程度の点からも評価する必要があるから、航空機の騒音によって社会通念上著しい障害を受ける空港周辺の住民には、免許の取消しを求める原告適格が認められる。

詳しい解説を見る

解説

正解は4(妥当なもの)。新潟空港訴訟(最判平成元年2月17日)は、定期航空運送事業免許の審査で騒音障害の有無・程度も評価すべきであり、航空機騒音により社会通念上著しい障害を受ける空港周辺住民に免許取消しを求める原告適格を認めた。よって4が正しい。1は誤り。近鉄特急訴訟(最判平成元年4月13日)は特急料金改定認可の取消しにつき利用者の原告適格を否定した。2も誤り。伊場遺跡訴訟(最判平成元年6月20日)は学術研究者の原告適格を否定した。3も誤り。主婦連ジュース訴訟(最判昭和53年3月14日)は景表法上の認定につき一般消費者の原告適格を否定した。5も誤り。小田急高架訴訟大法廷判決(最大判平成17年12月7日)は、健康・生活環境に著しい被害を受けるおそれのある周辺住民の原告適格を認めた。(出典: 令和3年度 行政書士試験 問題19)

一問一答

全600問を繰り返し学習

行政法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では行政書士の全1165問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。行政書士は憲法・民法・行政法・商法/会社法・基礎法学・一般知識の6分野からバランスよく出題されます。