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民法難易度: 標準2022年度

行政書士 過去問民法 第26問

問題

不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

選択肢

  1. 1未成年者が他人に損害を加えた場合、道徳上の是非善悪を判断できるだけの能力があるときは、当該未成年者は、損害賠償の責任を負う。
  2. 2精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、過失によって一時的にその状態を招いたとしても、損害賠償の責任を負わない。
  3. 3野生の熊が襲ってきたので自己の身を守るために他人の宅地に飛び込み板塀を壊した者には、正当防衛が成立する。
  4. 4路上でナイフを振り回して襲ってきた暴漢から自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ者には、緊急避難が成立する。
  5. 5路上でナイフを持った暴漢に襲われた者が自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ場合、窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる。

正解

5. 路上でナイフを持った暴漢に襲われた者が自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ場合、窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる。

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解説

「窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる」とする記述が正解。ナイフを持った暴漢の襲撃という人の不法行為から身を守るためやむを得ず他人の窓を壊した行為には正当防衛(720条1項)が成立して窓の所有者への賠償責任を負わず、他方で被害者(窓の所有者)は危難を生じさせた暴漢に対して損害賠償を請求できる(同項ただし書)から妥当。道徳上の是非善悪を判断できる能力があれば未成年者も賠償責任を負うとする記述は誤り。責任能力の基準は行為の責任を弁識するに足りる能力(おおむね11〜12歳程度の能力)であり、道徳上の是非善悪を判断できる程度では足りない。過失によって一時的に責任無能力状態を招いた場合も免責されるとする記述は誤り。故意・過失により一時的にその状態を招いたときは免責されない(713条ただし書)。野生の熊から身を守るため他人の板塀を壊した事例を正当防衛とする記述は誤り。熊の襲撃は人の不法行為ではないため正当防衛は成立しない。暴漢から身を守るため他人の家の窓を割った事例を緊急避難とする記述も誤り。民法上の緊急避難(720条2項)は他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合をいい、人の不法行為から身を守るため第三者の物を損傷した本事例は正当防衛(720条1項)の問題である。(出典: 令和4年度 行政書士試験 問題34)

一問一答

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