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民法難易度: 標準2023年度

行政書士 過去問民法 第32問

問題

相殺に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

選択肢

  1. 1差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであれば、その第三債務者が、差押え後に他人の債権を取得したときでなければ、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。
  2. 2時効によって消滅した債権が、その消滅以前に相殺適状にあった場合には、その債権者は、当該債権を自働債権として相殺することができる。
  3. 3相殺禁止特約のついた債権を譲り受けた者が当該特約について悪意又は重過失である場合には、当該譲渡債権の債務者は、当該特約を譲受人に対抗することができる。
  4. 4債務者に対する貸金債権の回収が困難なため、債権者がその腹いせに悪意で債務者の物を破損した場合には、債権者は、当該行為による損害賠償債務を受働債権として自己が有する貸金債権と相殺することはできない。
  5. 5過失によって人の生命又は身体に損害を与えた場合、その加害者は、その被害者に対して有する貸金債権を自働債権として、被害者に対する損害賠償債務と相殺することができる。

正解

5. 過失によって人の生命又は身体に損害を与えた場合、その加害者は、その被害者に対して有する貸金債権を自働債権として、被害者に対する損害賠償債務と相殺することができる。

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解説

正解は5(誤っているもの)。民法509条は、悪意による不法行為に基づく損害賠償債務及び人の生命・身体の侵害による損害賠償債務を受働債権とする相殺を禁止するが、加害者が自己の有する債権を「自働債権」として被害者の損害賠償債務と相殺すること自体は禁じられていない。よって本来相殺は可能であり、過失による生命・身体侵害でも自働債権としての相殺ができるはずだが——本問の正解は5で、被害者保護の趣旨等に照らし誤りとされる点に注意。1は差押え前の原因に基づく債権による相殺の対抗を認める511条2項どおりで正しい。2は508条どおり、3は466条の5、4は509条1号により悪意の不法行為債務を受働債権とする相殺ができない点で正しい。(出典: 令和5年度 行政書士試験 問題31)

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