問題
国家賠償に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、その正誤を正しく示す組合せはどれか。ア教科用図書の検定にあたり文部大臣(当時)が指摘する検定意見は、すべて、検定の合否に直接の影響を及ぼすものではなく、文部大臣の助言、指導の性質を有するものにすぎないから、これを付することは、教科書の執筆者または出版社がその意に反してこれに服さざるを得なくなるなどの特段の事情のない限り、原則として、国家賠償法上違法とならない。イ政府が物価の安定等の政策目標を実現するためにとるべき具体的な措置についての判断を誤り、ないしはその措置に適切を欠いたため当該政策目標を達成できなかった場合、法律上の義務違反ないし違法行為として、国家賠償法上の損害賠償責任の問題が生ずる。ウ町立中学校の生徒が、放課後に課外のクラブ活動中の運動部員から顔面を殴打されたことにより失明した場合において、当該事故の発生する危険性を具体的に予見することが可能であるような特段の事情のない限り、顧問の教諭が当該クラブ活動に立ち会っていなかったとしても、当該事故の発生につき当該教諭に過失があるとはいえない。エ市内の河川について市が法律上の管理権をもたない場合でも、当該市が地域住民の要望にこたえて都市排水路の機能の維持及び都市水害の防止など地方公共の目的を達成するために河川の改修工事をして、これを事実上管理することになったときは、当該市は、当該河川の管理につき、国家賠償法2条1項の責任を負う公共団体に当たる。アイウエ
選択肢
- 1誤誤正正
- 2誤誤正誤
- 3誤正誤誤
- 4正正誤誤
- 5正正正誤
正解
1. 誤誤正正
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解説
正解は1(ア=誤、イ=誤、ウ=正、エ=正)。ア:第一次家永教科書検定訴訟(最判平成5年3月16日)は、検定意見に裁量権の逸脱・濫用があれば国家賠償法上違法となり得るとしており、「すべて助言・指導の性質にすぎず原則違法とならない」とする記述は誤り。イ:物価安定等の政策目標の達成は政治的判断に委ねられ、その判断の誤りが直ちに国賠法上の違法となるものではない(最判昭和57年・サラリーマン税金訴訟等の趣旨)ため、義務違反・違法を肯定する記述は誤り。ウ:課外クラブ活動中の傷害事故につき、具体的予見可能性等の特段の事情がない限り顧問教諭に過失はないとした判例(最判昭和58年2月18日)の趣旨どおりで正。エ:市が法律上の管理権を持たない河川でも事実上管理することになれば国賠法2条1項の責任主体たる公共団体に当たるとした判例(最判昭和59年)の趣旨どおりで正。よって誤・誤・正・正の1が正解。(出典: 令和6年度 行政書士試験 問題20)
一問一答
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