問題
行政罰に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。ア財団法人の理事の就任に関する登記が法定期間内に行われなかったことに対して科される過料は、非訟事件手続法に基づく手続によって科されるが、中立性のある裁判所によって、当事者の陳述の機会を設けた上で科されるものであり、かつ即時抗告も可能であることから、憲法上の適正手続の要請に反しているとはいえない。イカルテル行為を行ったことによって独占禁止法*違反被告事件において罰金刑が確定している者に対し、さらに独占禁止法の規定に基づき課徴金の納付を命ずることは、課徴金を課せられるべき違反者の行為を犯罪とし、それに対する刑罰として、これを課する趣旨でないことは明らかであるから、二重処罰の禁止には違反しない。ウ所得税の確定申告において虚偽記載を行い所得税を脱税したことにより、懲役刑と罰金刑を併科された者に対して、さらに重加算税を科すことは、重加算税が申告納税を怠った者に対し、その行為の反社会性ないし反道徳性に着目し、これに対する制裁として科せられるものでもあるから、二重処罰の禁止に抵触する。エ刑事裁判において正当な理由がなく証言を拒んだ場合に、刑事訴訟法に基づき裁判官により秩序罰として科される過料と、同法に基づき通常の刑事手続により科される罰金は、法廷秩序の維持という点で目的が共通しているから、両者を併科することは許されない。 (注)*私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
選択肢
- 1ア・イ
- 2ア・ウ
- 3イ・ウ
- 4イ・エ
- 5ウ・エ
正解
1. ア・イ
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解説
正解は1(ア・イ)。アは過料を科す非訟手続が裁判所による陳述機会・即時抗告を伴い適正手続に反しないとする判例の趣旨に沿い妥当。イは独占禁止法上の課徴金は刑罰とは性質を異にし、罰金との併科も二重処罰の禁止(憲法39条)に反しないとする判例(最判平成10年10月13日等)に沿い妥当。ウは重加算税と刑罰の併科は二重処罰に当たらないとする判例(最大判昭和33年4月30日)に反するため妥当でない。エは法廷等秩序維持の過料と罰金は性質を異にし併科し得るため妥当でない。(出典: 令和7年度 行政書士試験 問題9)
一問一答
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