問題
AがBに対して有する金銭債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
選択肢
- 1債権譲渡の対抗要件としての通知は、譲渡人Aから債務者Bに対して行わなければならない。
- 2異議をとどめないで承諾した場合、Bは譲渡人Aに対して主張できた事由をCに対抗できなくなる。
- 3確定日付のある証書による通知または承諾がなければ、Cは債務者B以外の第三者に対抗できない。
- 4譲渡制限特約がある場合でも、債権譲渡自体は有効である。
正解
2. 異議をとどめないで承諾した場合、Bは譲渡人Aに対して主張できた事由をCに対抗できなくなる。
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解説
誤っているのは「異議をとどめないで承諾すれば、債務者Bは譲渡人Aに主張できた事由を譲受人Cに対抗できなくなる」という記述です。 【結論と趣旨】2020年4月施行の改正民法により、旧法の「異議をとどめない承諾」による抗弁切断の制度は廃止されました。債務者に過酷だと批判されていたためです。現在は、債務者は債権譲渡の対抗要件が具備される時までに譲渡人に対して生じた事由(弁済・相殺・取消しなど)を、すべて譲受人にも対抗できます(民法468条1項)。 【具体例】AがBに対する100万円の貸金債権をCに譲渡したとします。譲渡通知が届く前にBがAに60万円を弁済していれば、たとえBが単に「承諾します」と述べていても、BはCに対し「残りは40万円だ」と主張できます。承諾に異議を付け忘れたことで抗弁を失う不利益は、もう生じません。 【正しい記述】 ・「債権譲渡の通知は譲渡人Aから債務者Bへ行う」… 正しい。債務者対抗要件としての通知は譲渡人がしなければならず、譲受人が勝手に通知しても原則として対抗できません(467条1項)。 ・「確定日付のある証書による通知・承諾がなければ第三者に対抗できない」… 正しい。債務者以外の第三者(二重譲受人など)への対抗要件には、確定日付のある証書(内容証明郵便等)が必要です(467条2項)。 ・「譲渡制限特約があっても債権譲渡自体は有効」… 正しい。当事者が譲渡を禁止・制限する特約を付けても、譲渡の効力そのものは妨げられません(466条2項)。
一問一答
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