問題
不動産の物権変動に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
選択肢
- 1不動産の二重譲渡において、第二の買主が背信的悪意者であっても、登記を備えれば所有権を主張できる。
- 2相続による不動産の物権変動は、登記なくして第三者に対抗できる。
- 3取消しによる物権変動は、取消し前の第三者に対しては登記なくして対抗できる。
- 4時効取得による物権変動は、時効完成後の第三者に対しては登記がなければ対抗できない。
正解
4. 時効取得による物権変動は、時効完成後の第三者に対しては登記がなければ対抗できない。
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解説
正解は「時効取得による物権変動は、時効完成後の第三者に対しては登記がなければ対抗できない」という記述です。 【結論と趣旨】時効が完成した後に、原所有者がその不動産を第三者に譲渡した場合、時効取得者とその第三者は、いわば同一物を原所有者から二重に譲り受けたのと同じ関係(対抗関係)に立ちます。したがって時効取得者は、登記を備えなければ時効完成後の第三者に所有権を対抗できません(判例)。一方、時効完成前にすでに登場していた第三者に対しては、当事者類似の関係なので登記なくして対抗できます。完成の前後で結論が逆になる点が頻出の急所です。 【具体例】AがB所有地を占有し時効が完成した後、Bがその土地をCに売ってCが登記を移したとします。この場合、Aは登記を備えていなければCに「自分が時効取得した」と主張できません。 【誤っている記述】 ・「二重譲渡で第二の買主が背信的悪意者でも、登記を備えれば所有権を主張できる」… 誤り。単なる悪意者は登記で保護されますが、信義則に反する背信的悪意者は登記の欠缺(不存在)を主張する正当な利益を持たず、登記を備えても第一買主に対抗できません(判例)。 ・「相続による物権変動は、登記なくして第三者に対抗できる」… 誤り。改正民法899条の2により、相続による権利の承継は、法定相続分を超える部分については登記等を備えなければ第三者に対抗できません。 ・「取消しによる物権変動は、取消し前の第三者に対しては登記なくして対抗できる」… 誤り。取消し前の第三者との関係は対抗要件の問題ではなく、詐欺取消しなら96条3項(善意無過失の第三者保護)の問題として処理されます。
一問一答
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