問題
抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
選択肢
- 1抵当権は、被担保債権が消滅すれば、それに伴い消滅する。
- 2抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して、その占有を移転するよう請求できる。
- 3抵当権の順位は、登記の前後によって定まる。
- 4抵当権の効力は、抵当不動産に付合した物にも及ぶ。
正解
2. 抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して、その占有を移転するよう請求できる。
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解説
誤っているのは「抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して、その占有を移転するよう請求できる」という記述です。 【結論と趣旨】抵当権は、目的物の占有を債権者に移さずに設定する「非占有担保物権」です。所有者は抵当権設定後も従来どおり不動産を使用・収益でき、抵当権者が占有を取得することはありません。抵当権者の権利は、債務不履行時に競売を申し立て、その売却代金から優先弁済を受けることに尽きます(民法369条)。したがって平常時に占有の移転を請求することはできず、この記述が誤りです。 【具体例】Aが自宅に抵当権を設定して銀行から融資を受けても、Aはその自宅に住み続けられます。返済が滞ったときに初めて銀行は競売を申し立てるのであって、設定と同時に銀行が建物の明渡しを求められるわけではありません。 【正しい記述】 ・「抵当権は、被担保債権が消滅すれば、それに伴い消滅する」… 正しい。担保物権の付従性により、被担保債権が弁済等で消滅すれば抵当権も当然に消滅します。 ・「抵当権の順位は、登記の前後によって定まる」… 正しい。同一不動産に複数の抵当権がある場合、その順位は登記の前後で決まります(373条)。先順位者が優先して配当を受けます。 ・「抵当権の効力は、抵当不動産に付合した物にも及ぶ」… 正しい。抵当権の効力は、付加して一体となった物(付合物)に及びます(370条)。たとえば土地に付合した庭石などが該当します。
一問一答
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