問題
不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
選択肢
- 1不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から5年で時効消滅する。
- 2使用者責任が成立するためには、被用者に故意または過失があることが必要である。
- 3工作物責任において、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をした場合でも、占有者は責任を免れない。
- 4共同不法行為者は、各自が損害の一部についてのみ賠償する義務を負う。
正解
2. 使用者責任が成立するためには、被用者に故意または過失があることが必要である。
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解説
正解は「使用者責任が成立するためには、被用者に故意または過失があることが必要である」という記述です。 【結論と趣旨】使用者責任(民法715条)は、被用者が事業の執行について第三者に損害を与えたとき、使用者がその賠償責任を負う制度です。これは被用者の不法行為を前提に使用者が肩代わりする責任なので、まず被用者の行為が一般不法行為(709条)の要件を満たすこと、すなわち被用者に故意または過失があることが必要です。被用者に故意も過失もなければ、そもそも賠償すべき不法行為が成立せず、使用者責任も生じません。 【具体例】会社の従業員Bが業務中の運転で過失により歩行者Cをはねた場合、使用者である会社Aは715条によりCへの損害賠償責任を負います。Bに過失がまったくない事故であれば、会社の使用者責任も成立しません。 【誤っている記述】 ・「不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から5年で時効消滅する」… 誤り。原則は知った時から3年です(724条)。人の生命または身体を害する不法行為の場合のみ5年に伸長されます(724条の2)。一律に5年ではありません。 ・「工作物責任において、占有者が必要な注意をした場合でも占有者は責任を免れない」… 誤り。土地工作物の占有者は、損害の発生防止に必要な注意をしたことを証明すれば免責されます(717条1項ただし書、中間責任)。その場合は所有者が無過失責任を負います。 ・「共同不法行為者は各自が損害の一部についてのみ賠償する義務を負う」… 誤り。共同不法行為者は、連帯して損害の全額を賠償する義務を負います(719条)。被害者は加害者の誰に対しても全額を請求できます。
一問一答
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