問題
P社は発行済株式の全部を保有する子会社S社に対し、帳簿価額3,000万円の土地を時価5,000万円で譲渡した。P社の法人税法上の取扱いとして正しいものはどれか。
選択肢
- 1譲渡益2,000万円を譲渡した事業年度の益金に算入する
- 2譲渡益2,000万円は繰り延べられ、S社がその土地を再譲渡するなどの事由が生じるまで課税されない
- 3完全支配関係がある法人間の取引であるため、譲渡益2,000万円は非課税として消滅する
- 4譲渡益2,000万円はP社ではなくS社の益金に算入される
正解
2. 譲渡益2,000万円は繰り延べられ、S社がその土地を再譲渡するなどの事由が生じるまで課税されない
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解説
法人税法61条の11により、完全支配関係がある内国法人間で譲渡損益調整資産(固定資産、土地、有価証券、金銭債権、繰延資産のうち帳簿価額1,000万円以上のもの)を譲渡した場合、譲渡法人の譲渡損益は計上を繰り延べられる。本問の土地は帳簿価額3,000万円で要件を満たすため、譲渡益2,000万円は譲渡年度の益金に算入せず、S社がその土地をグループ外へ再譲渡したり、償却・評価換え等の戻入れ事由が生じたときに、P社側で益金に算入する。譲渡年度に直ちに課税するという処理は制度の適用を見落としたものである。重要なのは、この制度が課税の「繰延べ」であって「免除」ではない点で、譲渡益が非課税として消滅するという理解は誤りである。また戻入れ時に課税されるのは譲渡法人であるP社であり、譲受法人であるS社に課税が移転するわけではない。S社側はあくまで取得価額5,000万円で土地を受け入れる。グループ内の資産移転に課税の中立性を確保する趣旨の制度である。
一問一答
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