問題
個人甲がA社とB社の発行済株式をいずれも100%保有している。A社がB社に現金1,000万円を寄附した場合の税務上の取扱いとして正しいものはどれか。
選択肢
- 1A社では寄附金全額が損金不算入となり、B社では受贈益全額が益金不算入となる
- 2A社では損金算入限度額までが損金となり、B社では受贈益が益金不算入となる
- 3A社では一般の寄附金として損金算入限度額までが損金となり、B社では受贈益の全額が益金に算入される
- 4同一人が支配する法人間の取引であるため、両社とも課税関係は生じない
正解
3. A社では一般の寄附金として損金算入限度額までが損金となり、B社では受贈益の全額が益金に算入される
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解説
寄附金の全額損金不算入・受贈益の全額益金不算入という取扱いが適用されるのは、「法人による完全支配関係」がある内国法人間の寄附に限られる(法人税法37条2項、25条の2)。本問のように個人甲が両社を100%保有する、いわゆる個人による完全支配関係の兄弟会社間の寄附には適用がなく、通常の寄附金税制に戻る。すなわちA社では一般の寄附金として資本金等の額と所得金額を基礎に計算した損金算入限度額までしか損金にできず、B社では受贈益1,000万円の全額が益金に算入される。全額不算入・全額益金不算入とする処理は法人による完全支配関係の場合と混同した誤りであり、支出側だけ限度計算をして受領側を益金不算入とする組合せも成り立たない。課税関係が一切生じないという記述も誤りである。個人支配の場合を除外するのは、この特例を認めると個人間の財産移転(相続税・贈与税の課税対象)を法人間の無税の寄附で代替できてしまい、租税回避に利用されるおそれがあるためである。
一問一答
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