問題
相続の承認・放棄に関する記述として、民法の規定上誤っているものはどれか。
選択肢
- 1相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、原則として単純承認をしたものとみなされる
- 2限定承認は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務および遺贈を弁済することを留保して行う承認である
- 3限定承認は、共同相続人のうち1人が単独で家庭裁判所に申述して行うことができる
- 4相続の放棄をした者は、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされる
正解
3. 限定承認は、共同相続人のうち1人が単独で家庭裁判所に申述して行うことができる
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解説
限定承認は、相続人が複数いる場合には共同相続人の全員が共同してのみ行うことができる(民法923条)ため、1人が単独で申述できるとする記述が誤りである。共同相続人の1人でも単純承認をすると、全体として限定承認を選択することはできなくなる。他の記述はいずれも正しい。相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは法定単純承認となり(921条1号)、以後は放棄も限定承認もできなくなる。限定承認の定義、すなわち相続によって得た財産の限度でのみ被相続人の債務および遺贈を弁済することを留保した承認(922条)という説明も条文どおりである。相続放棄の効果として、放棄者は初めから相続人でなかったものとみなされる(939条)という説明も正しく、ここから放棄者の子に代襲相続が生じないこと、次順位の血族相続人に相続権が移ることが導かれる。なお、相続税法では放棄があっても基礎控除等の計算に用いる「法定相続人の数」は放棄がなかったものとして数える(相続税法15条2項)ため、民法上の効果と税法上の計算を混同しないよう注意が必要である。
一問一答
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