問題
遺留分侵害額請求に関する記述として、民法の規定上正しいものはどれか。
選択肢
- 1遺留分を侵害する遺贈は、侵害の限度で当然に無効となる
- 2遺留分侵害額請求権の行使により、受遺者または受贈者に対する金銭の支払請求権が発生する
- 3遺留分侵害額請求権を行使すると、遺贈された不動産について遺留分割合に応じた共有持分を当然に取得する
- 4遺留分侵害額請求は、必ず訴えの提起によって行わなければならない
正解
2. 遺留分侵害額請求権の行使により、受遺者または受贈者に対する金銭の支払請求権が発生する
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解説
平成30年の相続法改正(令和元年7月施行)により、遺留分制度は物権的効力を持つ減殺請求から金銭債権へと再構成された。遺留分権利者およびその承継人は、受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる(民法1046条1項)。したがって侵害額請求権の行使により金銭支払請求権が発生するとする記述が正しい。遺留分を侵害する遺贈や贈与も当然に無効となるわけではなく、処分自体は有効なまま金銭で調整されるにすぎない。また、改正前の遺留分減殺請求では目的物について受遺者との共有関係が生じ、不動産や自社株の承継に支障を来していたが、現行法では遺贈された財産そのものに共有持分を取得することはない。この共有関係の解消こそが金銭債権化の主眼であった。請求の方法にも法定の制限はなく、内容証明郵便など裁判外の意思表示によって行使することができ、訴えの提起は必須でない。なお、請求を受けた受遺者が金銭に代えて不動産等の現物を給付した場合、税務上は代物弁済として譲渡所得課税が生じ得るなど、金銭債権化は課税関係にも影響を及ぼしている。
一問一答
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