問題
被相続人甲は賃貸アパートを経営しており、相続開始時に入居者から預かった敷金300万円があった。相続税の課税価格の計算上、この敷金の取扱いとして正しいものはどれか。
選択肢
- 1敷金は現実に返還するまで債務ではないため、債務控除できない
- 2敷金は非課税財産に係る債務であるため、債務控除できない
- 3入居者に対する返還義務が相続開始時に存する確実な債務であるため、300万円を債務控除できる
- 4敷金は葬式費用として控除する
正解
3. 入居者に対する返還義務が相続開始時に存する確実な債務であるため、300万円を債務控除できる
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解説
賃貸借契約に基づき入居者から預かった敷金は、賃貸借終了時に入居者へ返還すべき義務を負う金銭であり、相続開始の際に現に存する被相続人の債務に該当する。返還義務は契約上確定しており、相続税法14条の確実と認められる債務の要件も満たすため、賃貸アパートを相続した場合には敷金300万円を債務控除(相続税法13条)の対象とすることができる。賃貸物件を承継する相続人は敷金返還義務も併せて承継するからである。現実に返還するまで債務ではないという理解は誤りで、返還の時期が将来であっても債務自体は相続開始時に存在している。非課税財産に係る債務だから控除できないという説明も誤りであり、控除が否定されるのは墓所等の非課税財産(相続税法12条)に対応する債務であって、収益物件である賃貸アパートはこれに当たらない。敷金を葬式費用として控除するという処理も、葬式と無関係である以上成り立たない。賃貸不動産の相続では、財産の計上と敷金債務の控除をセットで行う点が実務上も重要である。
一問一答
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