問題
企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」が通常の販売目的で保有する棚卸資産について簿価切下げを求める考え方として、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1将来の損失に備える保守主義の思考から、棚卸資産をできるだけ低い価額で評価すべきだからである
- 2棚卸資産の時価の変動をそのつど損益に反映させ、企業の業績を時価ベースで示すためである
- 3収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合に、回収可能な額まで帳簿価額を切り下げ、過大な帳簿価額を将来に繰り越さないためである
- 4棚卸資産の含み益を早期に実現させ、処分可能利益を増加させるためである
正解
3. 収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合に、回収可能な額まで帳簿価額を切り下げ、過大な帳簿価額を将来に繰り越さないためである
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解説
企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」は、簿価切下げの根拠を「収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合に、回収可能な額まで帳簿価額を切り下げ、過大な帳簿価額を将来に繰り越さないため」と整理している。これは取得原価基準の枠内で回収可能性を帳簿価額に反映させる処理であり、固定資産の減損処理と同様の思考に立つものである。「保守主義の思考から、棚卸資産をできるだけ低い価額で評価すべきだから」との記述は、従来の任意適用の低価法を支えた説明であるが、同基準は保守主義を切下げの直接の論拠とはしていないため誤りである。「時価の変動をそのつど損益に反映させ、企業の業績を時価ベースで示すため」はトレーディング目的で保有する棚卸資産の時価評価の考え方であり、通常の販売目的の棚卸資産には当てはまらない。「含み益を早期に実現させ、処分可能利益を増加させるため」は誤りで、簿価切下げは収益性の低下がある場合の評価損の認識であり、評価益の計上を認めるものではない。
一問一答
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