問題
繰延経理(支出額を繰延資産として計上すること)が認められる論拠に関する記述として、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1繰延資産には換金価値があり、債権者に対する担保となり得るからである
- 2支出額を資産計上することにより自己資本比率が改善し、財務の健全性が高まるからである
- 3多額の支出を一時の費用とすると、法人税の負担が急激に増加するからである
- 4支出の効果が将来の期間にわたって発現すると期待されるため、効果の及ぶ期間に費用を配分することが費用収益対応の原則に適合するからである
正解
4. 支出の効果が将来の期間にわたって発現すると期待されるため、効果の及ぶ期間に費用を配分することが費用収益対応の原則に適合するからである
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解説
繰延経理の論拠は、「支出の効果が将来の期間にわたって発現すると期待されるため、効果の及ぶ期間に費用を配分することが費用収益対応の原則に適合するから」である。ある支出の便益が将来の収益獲得に貢献するのであれば、支出時に全額を費用とするよりも、効果の及ぶ期間の収益に対応させて配分する方が適正な期間損益計算にかなう。この意味で繰延資産は、換金価値ではなく将来の収益との対応関係にその資産性の根拠をもつ費用性資産である。「換金価値があり、債権者に対する担保となり得る」との記述は事実に反し、繰延資産は財産的価値をもたないからこそ、債権者保護の観点からその計上には慎重な制約が課されてきた。「自己資本比率が改善し、財務の健全性が高まる」も誤りで、見かけ上の財務指標の改善は会計処理の理論的根拠たり得ず、資産性のない支出の計上はかえって財務内容の健全性を損なう。「法人税の負担が急激に増加するから」も誤りで、課税上の考慮は企業会計における繰延経理の論拠とは無関係である。
一問一答
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