問題
数理計算上の差異を発生時に全額費用処理せず、一定の年数にわたり規則的に処理すること(遅延認識)の論拠に関する記述として、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1数理計算上の差異には予測数値と実績との乖離のみならず予測数値の修正も含まれ、長期的な性格を有する退職給付において、各期に生じる差異を直ちに費用として認識することが債務の状態を忠実に表現するとは必ずしもいえない面があるためである
- 2遅延認識は、当期純利益を恒常的に大きく表示して株価を高めることを目的とするためである
- 3数理計算上の差異は資産・負債の定義を満たさないため、認識すること自体が禁止されているからである
- 4遅延認識は、現金支出があるまで費用を認識しないという現金主義の帰結だからである
正解
1. 数理計算上の差異には予測数値と実績との乖離のみならず予測数値の修正も含まれ、長期的な性格を有する退職給付において、各期に生じる差異を直ちに費用として認識することが債務の状態を忠実に表現するとは必ずしもいえない面があるためである
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解説
企業会計基準第26号が数理計算上の差異について遅延認識を認める論拠は、差異には予測数値と実績との乖離のみならず予測数値の修正も含まれており、退職給付が長期的な性格を有することに照らすと、各期に生じる差異を直ちに費用として認識することが、退職給付に係る債務の状態を必ずしも忠実に表現するとはいえない面がある、という点に求められる。平均残存勤務期間以内の一定の年数で規則的に処理することにより、一時的な変動の影響を平準化して認識する趣旨である。『当期純利益を恒常的に大きく表示して株価を高めることを目的とする』という記述は、利益操作を目的とする説明であり、会計基準の設定論拠として成り立たないため誤りである。『資産・負債の定義を満たさないため認識すること自体が禁止されている』という記述は、差異が規則的な費用処理を通じて認識され、連結上はその他の包括利益で即時に認識されることに反し誤りである。『現金支出があるまで費用を認識しない現金主義の帰結だからである』という記述は、遅延認識が発生主義の枠内における費用配分の問題であることに反し誤りである。
一問一答
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